全社リモートワークになったので通話のプラクティスを考えた

2020/04/02

今のチームでは、コミュニケーションのインタラクティブ性を重視して、同じ時間・同じ場所で働くことにしていた。しかし、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響で、全社リモートワークへの移行を余儀なくさせられた。Slackでテキストチャットはできるし、Zoomでビデオ会議もできるし、当初はなんとかなるかなと思っていたが、いざ始めてみるとやっぱり壁にぶつかった。

中でも大きな問題は、口頭のコミュニケーションを始めるハードルが高いことと、そこに適切な人を巻き込むのが難しいことだ。オフィスで一緒に仕事をしていたときは、いつでも誰にでも気軽に聞けるし、必要に応じて話す相手を増やしたり変えたりできる。しかし、これをリモートで実現するのがなかなか難しい。口頭で通話するツールはあるのだが、そこにスムーズに移動することができずに心理的ハードルが上がってしまい、余程必要に駆られない限りは使われなかった。

その対策としてSlackのグループコールを積極的に使うことにしたので、考えたことをまとめる。

口頭のコミュニケーションの必要性

そもそもテキストでのコミュニケーションがあれば、口頭でのコミュニケーションなんか要らないんじゃないか、という意見もある。テキストはログが残るし、会話に参加していなかった人が読むこともできる。それでも口頭でのコミュニケーションが必要だと思うのは、それが高速だからだ。文字でのコミュニケーションにはタイピング速度というボトルネックがあり、対話の内容もその影響を受けてしまう。往復が増えれば増えるほど反応の遅延は大きくなり、対話の内容への影響は大きくなる。

もちろん、テキストが適している場面も多くある。議論のまとめはテキストに残して他のメンバーが読めるようにすべきだし、粒度の大きな情報はドキュメントにまとめて伝えるべきだと思う。ただ、往復が多くなるようなコミュニケーションには、それに適した経路を選択すべきだということだ。

通話を始めるハードル

チームで通話が使われる主なタイミングは次の2つだった。

  • 定例ミーティング
  • 突発的な相談

定例ミーティングはそれほど問題ないのだが、突発的な相談には通話を始めるまでの心理的ハードルが高いという問題があった。Zoomでいきなりコールを掛けても良いし、SlackでURLを送っても良いのだが、なんとなく通話を始めるのに気が引けてしまうのだ。相談相手が適切なのか分からないのに1対1の密室状態になるし、なんだか普段オフィスで話しかけるよりも深刻な感じがしてしまう。それを克服する努力もリモートワークに慣れる一貫なのかもしれないが、仕組みとして和らげられるのならそれに越したことはないと思った。

そしてある時、通話を常にパブリックチャンネルから始めるようにしたら、少し問題が和らぐのではないかと思いついた。コールを呼び掛ける相手が1人であることには変わりはないが、話していることが他のメンバーにも伝わるし、そのコールがチームのものであることが明確になる。

以下は実際に使ってる様子。

話す概要をあらかじめパブリックな場で宣言しているので、他のメンバーに何を話しているか伝わっている。通話に参加したければいつでも参加できるし、必要に応じて人を呼んだり、会話から抜けたりもできる。少しだけ、オフィスでのコミュニケーションの感じに近づいたような気がした。

通話に使うツール

当初はSlackとZoomを併用していたが、ワンクリックで済ませられるSlackのグループコールを使うことにした。Zoomもアカウント連携をすれば少ない手順で通話を開始できるが、SlackのグループコールはSlackさえインストールされていれば誰でもワンクリックで開始できるという強いメリットがある。誰にとっても簡単であるというのは、チームのコミュニケーションでは重要なことだと思う。

通話の品質にも今のところ満足しているが、もしかしたら使い続けるうちに不満を持つかもしれない。

まとめ

オフィスの口頭のコミュニケーションをメリットを再現するために、以下のことを試し始めた。

  • パブリックチャンネルで通話を始める。
  • Slackのグループコールを使う。

リモートワークはしばらく続きそうなので、良い感じに仕事ができるように努力していきたい。